「変わってないね」

「うん」

 

「私、キミに謝っておかないといけないんだ」

 「?」

「両親が帰ってくるって、昨日言ったよね」

 「うん」

「あれね、実は私がお願いしたんだ。帰ってきて欲しいってね」

 「えっ、どうして…」

「キミを両親に会わせたかったから。それと、どうしてもやりたいことがあったから」

 「やりたいこと?」

「うん。私が、あの日の約束を破ってまで、やりたいことがあったから、だから、帰ってきたんだ。広島に」

 「それは、何時出来るの?」

「フッ…、もうすぐ出来るよ。キミが来てくれたから」

 「?」

 

 

 「あれから10年か…」

「そうだね。あの日、キミと出会ってなかったら、今頃私、どうなっていただろうね」

 「それはお互い様だよ。あの日優に出会ってなかったら、あの日流星群が見れなかったら、あの日流星を見に外に出かけなかったら、今こうしてはいられなかったからね」

「運命…、だよね」

 「そうだね。あの日、流星群の夜に出会ったなんて、ちょっと出来過ぎている話だけどね」

「星が私たちを引き寄せたんだよ。織り姫と彦星みたいにね」

 

Next

Index